沿岸クルージング艇の定義って何でしょう?
日本の海でクルージングしていたら、沿岸クルージングの繰り返しは当たり前のことです。
では、沿岸専用のヨットってあるの? そんな疑問も出てきますが、そんなモノはありません。
専用? この発想が、ヨットを知らない人の発想なんだと思うので、ここを解りやすく説明できたら、入門者が悩まないでヨット遊びに入れるでしょう。
そのためにも、だいぶ頑張って書いてみます。
ヨット遊びの中で 沿岸クルージングとはなんなのか
沿岸クルージングってなあに?
まず、ここを整理します。
※船検上の沿岸部とは異なる考え方です航行区域検索ページ(平水・沿岸)/JCI
ホームポートをメインに、日帰り旅行や日帰りセーリングを楽しむと、当然ながら沿岸クルージングで楽しむことになります。
夜間航行をふくむ、数日以上の旅行や、日本一周とした場合でも、間違いなく沿岸クルージングです。
では、東南アジアに長距離航行に出かけたときは? これも沿岸クルージングの延長線上にあるでしょう。
次に、太平洋横断や、オセアニア(オセアニアWikied)方面に行くとした場合は? ここでやっと外洋クルージングでしょうね。
このくらいに、乗り方としての沿岸クルージングの定義は広いと思います。
沿岸クルージングに必要なサイズの問題
では、なぜ私がクルージング艇と沿岸クルージング艇を、分けて書いているのかが疑問になってきますね。それはあなたの目的が重要になってくる。
私は、船体(ハル)のデザインとセールの大きさに注目しています。 その理由として日本近海の厳しさ、海況の厳しさを考えたときに、岸から近い沿岸クルージングだからといって、あなたがどんなヨットでも安全に航海できる、あるいは操船できるとは思っていないからです。
大きなキャビン(ドックハウス)や、大きなジブセールを搭載したヨットは、初心者には扱いにくいヨットと言えます。
少し強い(風速8メートル程度)風に遭遇すると、多少の体力が必要になったりするものです。
天候に左右されやすいヨット遊びでは、身近な港にいくだけでも悪天候に遭遇することは普通にある
お天道様がギラギラと照るような真夏でもない限り、風の強い場面はかならずあります(夏でも午後のシーブリーズは入門者のあなたを恐怖に陥れるでしょう)
そんな時に、沿岸クルージング艇とうたうヨットが、あなたの味方になってくれないことも想定すると、この沿岸クルージング艇についてよく考えておきたい。
沿岸クルージング艇を定義するなら
セールプランがコンパクトで、なんだか大きなキャビンを持って船内の装備がお家なみに充実した為に、重たくなったのでエンジンを大きくしてモーターセーラーのようになったセーリングヨット って感じでしょうか。
現在、新艇で販売されている多くのヨットは、キャビンの広さと、快適装備の充実はとうぜんのこと。 レースもできる性能と、クルージング時の快適な生活環境を併せ持っています このようなヨットも 段々と中古市場に流れてきた現状で考えるとき
このヨットはクルージング艇だとか、R&C(レーサークルーザー)だとかいう艇種の判断は難しくなっています。 どちらかに重点を置いているよね 程度のちがいです。
大事な考え方として、ヨットの大きさがあなたに必要で、扱えるサイズなのかが重要になる
三人程度の初心者が集まって、強風時にも問題なく操船できるサイズは 28フィートまででしょう。
しかし、沿岸クルージング艇の利点は、大きなキャビンをもった快適な乗り物である点。 そうなると、35フィート辺りまでが選択肢にになってしまうものです。
あなたのヨットライフの目的をもう一度考えて欲しい
荒天時の扱いやすさは、あなたの味方になる! 結果として乗り続けていける。
沿岸クルージング艇はあなたのステージ次第で有効に
ヨット入門する際に、いきなり太平洋横断や、ハワイに行く!なんてことを言う人も居ます。実際に行く人がいるんですよ。
そんな人なら、あなたの体力を考えた大きさと、その為に必要な強度と操作性能を持ったヨットを購入してください。沿岸クルージング艇は選択肢に入りません。
しかし、いつかは外洋クルージング! この程度に考えているなら、今のところ本格的な外洋クルージング艇は必要ないと思います。 実際にヨットライフを経験してからの買い替えを前提で問題ないでしょう。
ヨットを始めるにあたり、あなたの遊び方を考えた時に、沿岸クルージング艇の使い方が見えてきます。
あなたのライフステージはどの段階ですか?
ここでのライフステージとは、年齢や社会的位置(地位や肩書では無い)のことを言います。
これによって、ヨットライフに使える時間が判断できますね。
現役サラリーマン50代までの方ですか?
まだまだ、自分だけの時間を多くは確保できないのではないでしょうか
年間スケジュールの中で、ヨットライフにかけられる時間が月に一度、一泊程度の場合、沿岸クルージング艇で何をして過ごしましょうか?
- 日帰りでノンビリセーリングや、ピクニック
- 身近な港や、離島で一泊旅行
- 整備に没頭する
- ヨット仲間と交流・宴会
- ホームポートで自分のヨットの空間を堪能
多くのヨットオーナー達は、この様なヨットライフを過ごしています。
移動速度の遅いヨットでは、身近な旅行さきは直ぐに行き尽くしてしまうものです。 こうなってからがヨットライフの継続に問題が生じてきます。
長期間の休暇がとれないから、現役を引退してから楽しめばいいや! なんだか家族の時間を犠牲にしている気もするし・・・
この様な状況にある場合、快適な生活環境がある沿岸クルージング艇はとても良い選択です
港に係留されたヨットに泊まりに出掛けてください、日常とはかけ離れた時間がヨットの上にはあります。 ご家族にも、この時間を楽しむ方法を体感しておいてもらう事は、今後のヨットライフを充実させる為にとても良い時間となるでしょう。
現役引退も視野に入れた60代サラリーマンですか?
家庭環境の中で、子供の成長、教育課程の終盤にさしかっかてくる頃です。
自分やパートナーとの時間配分も、だいたい固まって来ているのではありませんか?
場合によっては、早期退職なんてことも視野に入ります。ヨット入門なんてことを考える人には多いです。 引退後のライフスタイルを模索している年代でしょう。
この段階にある方でしたら、沿岸クルージング艇の快適な生活環境を最大限に活用してください。
- 毎週末はヨットに行き、一晩を過ごす
- ヨット仲間と交流・宴会 赤提灯を掲げる宴会ヨットもある
- 将来のクルージング旅行に備えてDIY整備
- 別荘代わりに住んでいる方も居ます
この年代でヨットを始める方は、パートナーとのヨット旅行を夢見ている方が多いように思います。
快適な生活環境 このキーワードはとても重要ですよね。 ヨットだから我慢できるなんて方は多くありません。
年代に関わらず、時間を自由に持てる位置にいますか?
世の中には不思議と、時間を確保している方々がいます。
そんなあなたがヨットを始めるなら、沿岸クルージング艇を最大限に活用してほしいと思います。
- 休暇前日からヨットに行って過ごす
- ネット環境も充実した今、書斎 兼 事務所代わりにもなります
- 旅行先で仕入れた情報を共有できれば、仕事にもなります。
- ベットも、シャワールームも備えていたら・・・ムフフな・・・
- 実際、住めます。
まとめ
沿岸クルージング艇の使い方を、あなたのステージにしぼって考えたとき
あまり多くのスタイルは思い浮かばなかったです。
私の力不足は否めませんが、沿岸クルージング艇の定義に当てはめると、ヨットが贅沢な遊びにも思えてしまう。
このサイトをご覧のあなたは、ヨットを手軽に楽しみたいと考えているでしょうし、一部の人の嗜みではないと知っていると思いますが、 有効にヨットライフを過ごすには、多少の余裕は必要なんだとみえてきます。
とくに沿岸クルージング艇を選ぶ方には重要な要素でしょうね。
多くのクルージング派が、艇種に関わらずヨットライフを楽しんでおり、ホームポートでも、 使い方次第で 日常に溶け込むヨットライフがあると知ることは、これからヨットライフを形作るときの基本となります。
あなたの、現在の立ち位置次第では、ヨットライフとの付き合い方が異なるため、今後のヨットライフ継続にもかかわってくる部分があると思います。
時間と、自由は 過ごし方次第で拡げることが出来るものです。