「ディセーラーってなんですか?」
これからヨットを始めようと思っているあなたは、聞いたことが無い言葉かも知れません。
日本では、まだまだ一般的には成っていない ディセーラーというセーリングクルーザー
そこで、私が最近気になっているヨットの種類を紹介しましょう。
シングルハンドセーリングの醍醐味を集約したディセーラーとは?
宴会を楽しむことや、別荘がわりにヨットを所有したい方には向かない種類のヨットがあります。
その中でも最たるものが ディセーラーといわれる種類。
風を利用して進むヨットの醍醐味を、容易く味わう事を目的としたモノかと思います。
風と、波の音しかしないセーリングを愉しみ
セーリング競技でもないのに、目に見えない風を探し、視覚や肌で捉える事。
その風を、いかに効率よく活かすかを探求する。
仮説と、検証をくりかえし 感覚に落とし込む。
はては、ロジックの完成を目指してその船の性能限界まで引き出してみる。
そして、シングルハンド(一人乗り)で手軽に操船できるヨット。
こんな事を目的にできるのが、ディセーラー
もちろん、手軽にセーリングを楽しんでもいいんです
ややこしい遊び方をしなくても、遊びの一つとしてのシングルハンドセーリングを手軽に愉しむことも目的にできます。
軽くてレーシングハイスペックなモノや、クラシカルな外観を持っていながら設計段階から最新の技術で武装しているモノまで
楽しみ方の多様さのなかで、斬新で特異な提案がなされています。
外洋航海や長期間の旅行には 全く向かないヨットですが、少人数のピクニックも楽しく、探求心も刺激する。
こんなヨットは、選択肢に入れても良い魅力があります。
アレリオン シングルハンドディセーラー
今日のデイセーラーコンセプトを創造した、アレリオン28、船体
のフリーボードは低く、低重心、さらに重いバラストが全体の重心
をさらに引き下げます。 高い安定性の中で、誰もが容易にシン
グルハンドを楽しむ事ができます。ハルの硬さと高い船体剛性は、セーリングを支える要です。これ
があってこそ、セーリングは波に負けない、滑らかさを感じれるよ
うになります。それが、アレリオンセーリングとして高い評価を受
けている所以です。さらに、デザインは水線から上部は伝統的なスタイルを持ちなが
ら、水線以下及びリグは最新のリグという、新旧融合の美しいデ
ザインの先鞭をつけています。衰える事の無い美しさ、バランスの良さ、今日でも、世界のデイ
セーラー群の中で、ベストセラー艇で有り続けています。
このアレリオンを日本で取り扱っているのが(株)ユーエスヨット&カスタムズ
ディセーラーとして、他にもイーグルシリーズオプティオの取扱いがあります。
こちらのユーエスヨット&カスタムズ 北橋さんが書かれている、TALK&TALKはとても興味深い内容で、私が好きな エッセイ集(私が勝手にエッセイ集ととらえているだけ)です。
J-BOATS シリーズ J/100 アメリカンディセーラー
J-BOATS のシリーズは、日本でも古くから親しまれていますが、このJ/100は一人でも操船しやすいディセーラーとくくられるヨットでしょう。
内装はシンプルなデザインですが、33フィートのキャビンはディセーラーとしてだけでなく、数泊ていどなら快適に過ごせる。
取扱いディーラーは日本にもあります。ビィー・インターナショナル ヨット
ラスラーヨット 24 33
ラスラー24
ラスラー24はクラシックデザインそのままかと思える ロングキールを持ったディセーラー。
ラスラー33
ラスラー33は、クラシックな外観を水面上に持っていながら、水面下にはフィンキールを備える現代的なデザイン。33フィートの大きなサイズでキャビン(船室)も快適に使えそうです。
取扱いディーラーは見つかりませんでしたがライズマリンさんで 個人輸入の代行は可能なようです。 他にもスワローボートや、ケープカッターなど、楽しそうなヨットも紹介されている。
サフィールヨットの ディセーラー
オランダ製 サフィールヨット(サファイア?オランダ語ではサフィール!ロゴマークはサファイアでしょうか?)
クラシカルな雰囲気をもつディセーラから、新しいタイプのディセーラーまで興味深いヨットがそろっています。
saffier Sc 6.5m
約22フィートの小柄で、クラシカルな雰囲気をもっていますが、キールとラダーから セールプランまで、セーリングを楽しむために いまどきデザインへ変更されている。
saffier Se 33
こちらは33フィートの船体にレース艇要素を詰め込んだヨット。 インショアレースでも十分に戦える性能を持っている。
船室も充実しているので、ディセーラーと括るにはいくぶんオーバースペックな気もしますが、コクピットデザインは十分にディセーラー要素がつまっています。
こちらで取扱い岡崎ヨット (小豆島の岡崎造船とは別事業者です)
オールドソルトと天信翁(アホウドリ)
日本製ヨットの中には、ディセーラーというコンセプトをもったセーリングクルーザーはないのかもしれません。
しかし、一人で操船しセーリングを楽しむのに最適なヨットはあります。
そこで、すこし趣はことなりますが おススメのヨットも紹介しておきます。
日本のヨット黎明期に多くのヨットをデザインした横山晃さん設計で、サバ二船型といわれるハル(船体)をもつヨットは、ディセーラーとは異なる考えから生まれていますが
現在 日本国内において、中古で探すことが簡単なディセーラー向きのヨットです。
OLD SALT:日本OPヨット (ノラ:稲毛マリン)
シングルハンドは帆走の基本です。”良いクルーがいないから”ではありません。
”海が次になにを仕掛けてくるか?”それを読むために、海の経験の全てを独占して、身につける為です。
それがファミリーセーリングの条件です。
サバニ船型のこのヨットは、一クラス上の艇と一緒に行動できる船です。
一人きりで夕陽の海へ出てゆく人に、それとも、家族だけで帆を上げる人に、このヨットを贈りたいと思います。横山晃
日本OPヨットと稲毛マリンで建造されてきた、古いタイプのヨットですが同じ設計図で、自作してしまう方も居る 定評のあるヨットです。
天信翁24 (現行モデルZen24)
「リーフするためにはティラーを放して、デッキ作業を行います。そして疲れた体を回復させるには、キャビンへ入って、温かな飲み物を用意しなければなりません。」「そのような時オートパイロットでは能力の限界を超えるので、もう舵をコントロールできないのです。」
「ティラーを固定しておけば、ヨット自身が直進する。」「そして波を乗り越えるスピードを保持する、その類まれな性能が、シングルハンドには必要なのです。」
一人でヨットに乗り、セーリングをする時には、最高の気分が味わえる。邪魔するもののない、自由な世界だ。思うがままに、好きなところへ走って行くことができる。走る海域が内海であっても、外洋であっても、その自由気ままさは変わらない。
それはヨット乗りとしての横山晃が残した、宝物です。ヨットに乗る技術は、誰でも上達可能です。しかし長年ヨットに乗っているから、セーリング技術が向上するのではない。
長時間、単独で、軽油やガソリンに頼らずに練習するからこそ、技術は向上する。上達すればテルテイルや、ウィンデックスは不要となる。500時間を越えた頃、あなたは実感するに違いない。
海は山と同様に、自由は十分に味わえるが、日常と比べると不便なところもある。自分でヨットの操作をして、料理も作る。掃除も、隅々まで自分の手で行う。自分で体を動かさないと始まらないのが、海の世界の原則だ。体を使うことで、上達も図ることが出来ると考えよう。そこでヨットを選ぶときには、この上達原則を適用すればよい。
一人で操船し、どんな海況でもセーリングを楽しみ、乗り切ることを目的に設計されたヨット。
乗りやすさが重視され、日本近海では、あなたに楽しさと安心を提供してくれると思います。
これからのセーラーに、日帰り重視のヨットはいかがでしょう?
- クラシカルな雰囲気をもつけど最近の技術をつめこんだセーリングを楽しむ
- ディセーラーの要素がつまった最新デザインも楽しめる
- シングルハンド(一人乗り)で半端ないセーリングを楽しむ
- 古い中古でも、ディセーラーとして優秀なヨットはある
新艇の紹介が多くなりましたが、中古ヨットでも楽しむことは十分に可能なディセーラーという選択
あなたが身近にヨットを楽しむには、最適な種類の提案だと考えます。