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ヨット入門者向けに説く レース艇っていう種類はどんなもの?

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入門者が初めて買うヨット選びに、販売業者の意見は参考にならないことがおおいように感じます。

それは専門家の意見ではなく、販売者の意見だからです。

最初のヨットに、レース艇を買ったオーナーは、如何にしてヨットライフをあきらめていったのか。

そんな、残念なお話もあわせながら、レース艇について書いていきます。

 

レース艇はヨット入門向きではありません。

レース艇と定義する場合、速く進むことはもちろんですが、風に対していかに高く進んで行けるかが重要な要素になってきます。

この高さとは、風上方向に45°の角度までしか進めないヨットが、いかに短時間で風上の目的地に到達できるか ということです。

短い距離を進んでもスピードが遅くては時間がかかりますし、スピードを早くしても距離が長くなるなら、この場合でも時間がかかる。

この加減がヨットレースの醍醐味で、レース艇に求められる 一つ目の要素でしょう。

その他には、 速く進む為にはパワーの発生元であるセール(帆)が大きくなる。これを細かく調整(セールトリム)するためにロープや、ブロック(滑車)などの装備が多くなる。

セールから大きな推進力を得ると、大きく傾く(ヒール)力も発生するので、それを抑えるためにバラストキールが長く重たくなる。

設計によっては、細く長くしたバラストキールで、てこの原理を利用し 傾きに抵抗しているモノがある。(これは特に初心者には扱いにくいヨット

中古レース艇の場合、セールを各種合わせると 10枚を超えるヨットもみられます。それに合わせて各装備も増えていく。

タック(方向転換)、回頭性能を高める為にラダー(舵)も細く長くなり、バランスドラダー釣合舵(平行舵、Balanced Rudder)となっている。(舵が軽くうごくが、大きく切ると効かなくなり易い

風向風速計や水深計、対水速度計、タイマー、GPS機器など 電子機器も増える。

目的を 速く、高く、短時間で目的地に進んで行くことに絞られていますので、その為の装備が充実しています。 とても多い!

こんな要素を追求しているヨットが レース艇といわれる種類です。

これらは、中古のレース艇を販売する際にセールスポイントとされる部分ではありますが

これを、あなたは お得なヨットと感じますか?

 

私が、これからヨットを始めるつもりの入門者にお伝えしたい事

レース艇のセールスポイントは セールスマンの戯言だと思ってください。

多くのレース装備は、初めてヨットを購入するかたには 無駄な装備品です。

 

扱いにくさは、ヨットの楽しさを半減以下にしてしまう。

新艇でレース艇を購入したい方には問題ないことですが、中古艇でヨットを始めたいと思っている方にはよく考えていただきたいと思います。

あなたの遊び方は、どの様なスタイルですか?

ヨット遊び入門者に現役オーナーが伝えるスタイル別ヨットの選び方 私が初めてのヨットを購入する際に考えていた事を白状します じつは・・・ すぐに小笠原諸島へ行くつもりでいた・・・ 正しく...

 

あるレース艇オーナーの例え話をしてみます。

「中古のヨットを探して、中堅ヨット販売業者に問い合わせたところ、とても良い船があると紹介されたヨットが 綺麗な状態のレース艇。

船齢20年未満  外観はピカピカに磨かれているヨットは、速そうです。

細く長くカッコイイ、レーシングカーにも似た魅力的なデザインのヨットには多くのセールや、ロープが付属しているし、マストも高く、ランニングバックステイも付いて 何だか偉そうに見えます。」

ここでセールスマンの売り込みに遭う。

「このヨットは、レースでの戦歴も優秀です。 セールやロープ、電子機器も沢山付属していますし、手入れも我が社で担当してきたので問題はありません。」

「価格も今ならこんなに お得な設定になっています。」

そんなことをいわれて購入したヨットを、マリーナに係留してヨットライフをスタートしたオーナー

初航海の前には、販売業者にレクチャーを受けて準備万端。

ご家族と一緒に海に出たオーナー セールを上げることも無く戻ってくる・・・

一人では出来なかったようです。 何にも出来ない事に、今更 気が付いてしまったオーナー・・・

基本的な技術がないことも原因ではありますが、 本気のレース艇は一人で操船出来るように作ってありませんので、初心者には何にも出来なくて 問題ないと思います。

問題だったのは、このオーナーのヨット遊びスタイル。

ご家族や、会社の従業員を乗せてマリンライフを満喫し、会社の福利厚生を充実させたいと考えていたこと。

おおきなミスマッチが、不誠実な販売者によって引き起こされてしまったようです。

その後このレース艇は、オーナーの居ない時に レース艇を持たないレーシングチームによって動くことは有っても、満足な手入れがなされることはなく放置された状態になる。

ピカピカだったハルはくすみ、張りっぱなしのロープには苔も生える。

惨めなヨットが浮かんでいる訳です。 会社の経費で購入された為に放置されていても問題はなかったのでしょうが、ヨットもオーナーも可哀想です。

 

レース艇は安く売りに出やすい種類なんです。

多くの中古レース艇は安い価格で販売されることが多いものです。

その理由として考えられる点をいくつか紹介

  • 多少過酷な状況で使用されるために、耐用年数は短くなる。
  • 古いデザインよりも新しいデザインの方が必然的に 速い。
  • レースをしない人にとって 扱いにくいヨットだから。

総合すると レース艇には需要がない。

需要がなくとも、レースを楽しむ人は一定数います。

そしてそのオーナー達は、結構裕福です。

レースを楽しむには勝ちたい。新艇が欲しい。  中古レース艇が放出される。

販売業者は売りたい。

お得感が醸し出される。

カモにされる入門者。

こんな構図が繰り返されています。

あなたのヨット遊びスタイルを もう一度考えて頂きたいと思います。

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カスタムすれば利用価値はあるレース艇

ここまで、散々に言ってきたレース艇ですが、多くのクルージング派がレース艇をカスタムして楽しく乗っていることも事実です。

マストを短くしたり、レース艇ならではの広いデッキを有効に活用する。

クルージングに不必要な装備をなくして、扱い易いようにカスタムすることで自分専用のヨットに仕上げています。

需要がなく、安く購入出来るならカスタム費用も捻出しやすい。

耐用年数が短くなるといっても、ハルに大きな損傷がないのであれば、その他の部品を交換することで問題もないのでしょう。

ヨットの楽しみ方は、多様です。 DIYカスタムに時間をかけるオーナーもおおくいます。

プラモデル感覚で楽しむことも、中古レース艇を有効に利用する方法ではあります。

自分のヨットに仕上げることは、どんな艇種でも必要なこと。

 

これから下記は、レースを楽しみたい方、または興味のある方向けに参考になることも紹介していきます。

ヨットレースってスポーツに見えるよね

ヨットレースの種類にも、多くのかたちがあります。

インショアレース

  • オリンピックや国体での競技:ブイで構成されるコースを規定どおりに回る
  • ヨットクラブ、セーリング連盟主催:ブイを回るレースと、島や航路標識などをコースに指定するレース

学生のおおくが競技スポーツとして参加する学連主催レースと、主に社会人が参加するクルーザーに限定されたレースがある。

通年にわたりポイントを重ねて年間賞などの設定もある。 クルーザーでは、スタートが夜のナイトレースなんてものも有り、かなり本気度の高いレースヨット乗りが楽しんでいます。

 

オフショアレース

  • 中・長距離レース:出発地点とゴール地点が指定された外洋レース(車でいうとF3くらい?)
  • 世界一周レース:いくつかのレグに分割されたレースと、無寄港型のレースがある。(特殊なヨットを使う、車でいえばF1タイプのレースです)

オフショアレースとなると、安全の確保も大きな障壁になってきますので、国内では日本セーリング連盟(JSAF)の各支部が主催している場合が多いです。

上記の2タイプのレースは、国内に限ってみると学生ヨット連盟や、日本セーリング連盟(JSAF)に加盟する事が参加条件になってきます。

スポーツに見えるのは、競技の要素が多くなっているためで、ヨット未経験の方々がヨット入門に、二の足を踏む原因になっていると思います。

各メディアに露出の高いヨットニュースも、レースの場合が多いです。

 

スポーツに見えない オープンヨットレースだってあるよ

お祭り型レース

インショアレース

他にも沢山のオープンヨットレースがあります。

このようなインショアレースは、クルージング派のヨットにも間口が広く、参加することに楽しさがあります。 セーリング技術を試してみたい方にもおススメ。

 

オフショアレースにも、こんな企画があります。

沖縄・東京ヨットレース:沖縄・東京ヨットレース倶楽部 FB

こちらは、セーリング連盟主催ではなく、身近に外洋レースを楽しむことを目的にボランティアと参加者で運営しようと企画されています。

 

体育会系のレースとはことなり、ヨットを楽しむことに重点を置くレースなら初心者でも、気軽に参加できます。

このようなレースでは、体験乗船を同時に募集していることがおおくみられますので、これからヨットを始めてみようと考えているあなたも、気軽に参加してみるとヨットが身近に感じられると思います。

日本ヨット新聞.com 何を思ってこのサイトを開設したのか?
私がどうしてこんなブログを立ち上げて
情報発信しているのか書いています

 

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