入門編

勘違いしがちな台風と温帯低気圧の違い|ヨットに乗るなら知っておきたい気圧の話

低気圧の雲に覆われる海岸線
ヨット遊び入門者のみなさん こんにちは。
現役ヨットオーナー兼セーリングインストラクターの ユウミマサトですプロフィール

週末のヨット遊び計画を立てる時には、テレビやネットで天気予報を見ると思います。

どこに注目していますか

晴れ☀とか 雨☂とか 天気マークを気にしてたりしませんか

そこ  意味ないですよ。

天気予報って、基本的に陸地の天気予報です、海上とはけっこう異なるもの

そしてあなたは、風があれば遊べるヨットを選んだんでしょ! 遊ばなきゃ!

ここでは、天気図に現れる気圧理解を深めていきましょう

その為には先ず、気圧の種類、とくに台風と、台風から変化する温帯低気圧の違いを理解してください。 ヨット歴30年の先輩でも 知らない人がいる話し

2019年現在、気候変化がいちじるしいと言われる中で、秋の台風がいっそう大きな被害をもたらしています

天気予報でも、お天気お姉さんが かなり詳細な説明をしてくれていますが、まだまだ周知されていないようで、長年ヨットに乗る先輩方の中には、予報を甘くみて十分な台風養生をしない方もみられます

航海中にかぎらず、港にあるヨットにも台風や豪雨で被害が生じることを忘れてはいけません

まして、十分な養生をしなかった あなたの船が、隣りのヨットに危害を加えてしまったとしたら大変。 簡単に説明していきますので、十分意識しておきましょう

 

台風と温帯低気圧の違いは 熱源の違い

台風は、熱帯や亜熱帯地域の暖かい海上で発生した 熱帯低気圧の中で、海から蒸発した水蒸気が、水滴になり、雲になるときに出す摩擦熱を熱源として上昇気流が発生し、かならず海上で発達する

一方、温帯低気圧は、寒気と暖気とが接する境目の前線をともない、寒気と暖気大きな温度差という熱源があることで発達する

つまり、台風が勢力を弱めるには上陸する(陸との摩擦力で衰退)、または海水温が低下した海域に達する必要があるのですが、この低下した海水温をもつ海域には冷たい気団が待っています

ここで、熱帯や亜熱帯地域からきた台風に存在する暖かい空気と、冷たい空気が出会うことで前線を伴い、温帯低気圧に変化していく

台風は 温帯低気圧に変化することがある(日本周辺での変化)

しかし、必ずしも変化=勢力(雨風を含む) 弱まるわけではない

寒気と暖気の温度差が大きければ日本海でも台風より発達する

前線をともなう為に、台風よりも広範囲に影響する

 

こちらの本では、気象、雲について 見やすい図解入りで解説されています↓

 

熱帯低気圧から 台風に変化 のちに温帯低気圧になる

はじめに、アジア太平洋域の天気図を参考にして 理解深めていきましょう

以下の天気図は 気象庁からお借りして加工しています

熱帯低気圧から台風に変化する様子と 温帯低気圧が発達する様子を見る

発達する温帯低気圧の説明天気図1出典:気象庁

↑南の海上にTDとあるのが熱帯低気圧。 この時点で気圧は1006hPa(ヘクトパスカル) 暖かい海上に存在する熱帯低気圧は水蒸気を供給され続けている状態。大きな高気圧の外側にあって、おおきく移動できないでいる

東北地方 東方沖にはL温帯低気圧。 気圧は998hPa中国大陸に大きな高気圧が存在することから、冷たく乾いた気団があると想像される

 

 

発達する温帯低気圧の説明天気図2出典:気象庁

↑南海上にあった熱帯低気圧は、台風に成長し気圧は1003hPa(この成長とは、最大風速が17.2m/sを超えたことを意味する)

今後も暖かい海から、熱源の元となる水蒸気が供給され続ければ 勢力を増していくと想像される。 西側の高気圧等圧線が北上したため、少し移動しやすくなった

 

東北地方東方沖にあった温帯低気圧Lは、カムチャッカ半島へ北東進して 気圧の谷が西側へ傾いてきた。西からの寒気団の影響をうけて発達している

気圧は994hPaに低下、等圧線が増え少し密になっている。これは海上暴風警報[ SW STORM WARNING]が発令中で、風速24/s以上が予想され または状態にあり台風以上の勢力と予想 または状態にあると想像できる

 

 

発達する温帯低気圧の説明天気図3出典:気象庁

↑台風Tは中心に等圧線が増えて、気圧は965hPaに低下。小型ながらも勢力を増している

 

温帯低気圧Lは、寒気団に(高気圧帯がメイン)おされてさらに北上し、気圧の谷がさらに西側へ伸びてきたために、急速に発達。気圧は972hPaへ低下

寒冷前線が長く伸び、その先は南北に高気圧があり 停滞前線になっている

海上暴風警報[ SW ]が継続発令中で、等圧線が増えてきたことから風速24/s以上の状態にあり台風以上、または匹敵する勢力をもっていると確認できる(温帯低気圧の最高風速が17.2/sを超えても台風とは呼ばない)

このことから、温帯低気圧は台風を上回った 広範囲に影響する(風と前線にともなう雨)勢力にもなると確認できる。

 

台風から 変化する温帯低気圧を見る

ここでは、2019年9月に発生した 台風17号、日本周辺域の天気図を利用して 変化に注目して見ていきます

衰退する温帯低気圧説明天気図1出典:気象庁

↑日本上空に、台風本体の暖かい空気と 進路方向(北)に存在していた冷たい空気とがぶつかる停滞前線があり、それを境目として、北に寒気団南に暖気団が存在しています

そこへ、台風L17号が気圧975hPaで接近中。この段階では等圧線は真円に近く、台風としての体は成していますが

北にある寒気団(高気圧帯)の尾根が差し込んできている為、冷たい空気が混じり始め、しだいに台風本来の性質を失っていくと想像できる速度は30km/hで偏西風に乗り始めた時期にある

 

 

衰退する温帯低気圧説明天気図2出典:気象庁

この段階で、温暖前線と寒冷前線もち 台風17号は、完全に温帯低気圧に変化しています。気圧は992hPa 勢力は衰退した

これは、温帯低気圧の最低気圧部からのびる寒冷・温暖前線を境目に、北に寒気団、南に暖気団があり、それにそうように気圧の谷ができている状態

偏西風にのって速度65km/hに加速、北東進する。北に上がり冷たい海域と気温が想像されるところだが

北に高気圧帯は無く、大陸に停滞している高気圧が存在するだけであることから、寒気団と暖気団の気温差は大きくない

等圧線が西側には傾いて(張り出して/伸びて)いないことからも、今後この温帯低気圧は勢力を発達しないと想像できる

 

 

衰退する温帯低気圧説明天気図3出典:気象庁

↑等圧線の間隔は広がり、気圧は998・994hPaの二つの低気圧に分かれており、温帯低気圧としては衰退した

しかし、寒冷前線に沿って、強い風雨が継続していることは変わりません

台風から 温帯低気圧に変化する際には、気団の境目にある前線を伴うことで

台風の性質が弱まり、温帯低気圧の性質が強くなっていく変化が見られる

 

温帯低気圧へ変化後に 発達する様子を見る

温帯低気圧が発達するには、気団の温度差以外に 気圧の谷が西側へ傾いている事と、前線が閉塞していない事が条件になります

台風から温帯低気圧へ変化する説明天気図1出典:気象庁

↑台風が前線をともない始めている。このことから台風の目を中心とした風向にも変化があらわれ、台風としての勢力は衰退したと想像できる

台風の中心気圧は992hPa

 

 

見えない気圧の谷を引いた天気図出典:気象庁 加工しています

 

↑完全に、温帯低気圧へと変化したものの、中心気圧は992hPaのまま

西にある高気圧が発達し 独自の等圧線をもったことで、前線にそった気圧の谷(傾き)とは別に、西側へも気圧の谷が伸びだしている。(水色太線(円になった高気圧の等圧線と北側の等圧線との間は見えない気圧の谷といえる)

大きくみれば、北東方向にも 谷といえる状態がありますが、先の画像にもあり 停滞前線が存在しています

 

台風から温帯低気圧へ変化する説明天気図3出典:気象庁

↑気圧は990hPa。 台風から 温帯低気圧へ変化したのちでも、温帯低気圧の発達(気圧の低下)が確認されました

天気図、今の空を見て予測をたてるための知識を学ぶには、ややこしい事はぬきにしても 本を数冊読んでほしいです。気象予報士になる訳ではないのでこちらの本がおすすめ↓

 

 

 

熱帯低気圧とは

熱帯・亜熱帯の海上で発生する低気圧を熱帯低気圧といいます

熱帯低気圧は、亜熱帯・熱帯の暖かい海から蒸発する水蒸気が上昇し、冷えることで水滴(雲・雨)に変化し、上昇気流の渦の中で水滴が擦れることで発生する摩擦熱で発達する。

赤道からすこしはなれた 北緯5°~20°辺りの、海水温が26~27℃より高い海上で発生し陸上では発生しない

風に注目した場合、中心付近に風の強いエリアが集中する、そして前線を伴うことはありません

 

台風とは

熱帯・亜熱帯の海上で発生した熱帯低気圧が、さらに発達し中心付近の最大風速が17.2/s以上になったモノを台風と呼び、風は気圧の低い中心付近が強い傾向にありますが

台風自体の移動速度が ますにつれ、進行方向の右側の風速が強くなっていきます(船舶免許を取るさいにも習う 危険半円というヤツ)

中心部の遠心力の空白地帯を台風の目とよび、青空が見えたりしますが、すぐにそれまでとは反対の風向に変化して暴風域にはいる。やはり前線はともないません

熱帯低気圧と 台風の違いは、風速の違いのみと言えます

この台風という名称は日本発で、世界でもタイフウで通じます

しかし タイフーンとは異なり 国際的に基準が存在し、最大風速33/sのモノをタイフーンと呼ぶ

発生する地域によっても呼び名は変わり、台風・タイフーン・サイクロン・ハリケーンがある。地域を跨ぐと名称も変えられる

 

温帯低気圧とは

日本近海にやって来る温帯低気圧は、多くの場合 中国大陸に発生した低気圧が始まりで 冷たい気団と、暖かい気団との影響を受けて発達する

気団と気団が接するところを前線と呼び、低気圧はある程度発達すると通常は温暖前線、寒冷前線の二つの前線を伴い温帯低気圧となります

気団:気温・湿度などの性質が一様な空気のかたまり

前線…寒気と暖気の地表上の境い目

【温帯低気圧と前線

寒冷前線のほうが温暖前線より速い→追いついて閉そく前線ができる

温帯低気圧は西から東へ移動…日本上空の偏西風に流されるため

出典:中学理科を攻略しよう|りかちゃんのサブノート

春の温帯低気圧には、春の嵐(メイストーム)と呼ばれるほどに発達するモノや

冬型の気圧配置(西高東低)で縦(南北)に等圧線がのびる際にある、東低の温帯低気圧は 爆弾低気圧と よばれることもある

 

高気圧と低気圧

もう、ややこしいのはやめにして、綺麗なお姉さんに頼りましょう

ウェザーニュース 江川清音さん よろしくお願いいたします

江川清音の空と花と時々、食べ物♡ブログ

 

 

わかりやすかったですね。 こんな学びの方法もありますねぇ

今後、天気予報をご覧の際には、お天気お姉さんの かわいい顔ばかり見てないで

お話も よ~く聞いて下さい。

 

気圧の単位と勢力の関係

お天気お姉さんの解説をすこし 書き出しておきます

等圧線は: 4ヘクトパスカル刻み

高気圧とは: 相対的に気圧の高い所 ヘクトパスカルの数値に基準は無い

低気圧とは: 相対的に気圧の低い所 ヘクトパスカルの数値に基準は無い

 

 

まとめ

天気図から見てとれることは とても多いですが、ヨット遊びに必要な程度に学べば 問題ありません

問題とすべきは、基本を知らないままに 自然をナメてかかることだと思います

温帯低気圧は、季節によっても発達する 危険な低気圧だと知っておいて下さい

 

台風は 温帯低気圧に変化する。

しかし、必ずしも変化=勢力(雨風を含む) 弱まるわけではない

寒気と暖気の温度差が大きければ日本海でも台風より発達する

前線をともなう為に、台風よりも広範囲に影響する

 

こちらで 気団・前線についての用語を確認してください

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