最近ヨットを始めた方は、ご自身の係留場所で知り合った、多くの先輩達にアドバイスを受ける機会に恵まれる事でしょう。
先輩達にそれぞれのやり方があり、多くの経験値を、身近に受け取れるありがたい機会です。
遠慮なく、甘えてしまえばいいと思います。
しかし、自分で学んだ事に自信を持っておく事も大切!それが正しい知識と技術であればなおさらです。
ここでは、自分に合った師匠の見つけ方を考えていきます。
セーリングヨットの経験値って?
私が最初のクルージングヨットに乗って教えを受けた方は、経験年数30年をこえる超ベテランオールドソルトです。
長年の経験で培われた、楽しく魅力的な話しを多く聞かせていただきました。
でも、残念ながら初心者が成長するには、あまり役に立たない内容でした。こんな経験をあなたもしているかもしれません。
お話しは楽しいものの、ヨットを操る技術が十分ではない先輩達はとても多いです。人生のあらゆる場面で多くの経験値を積んできた先輩達は、ヨット初心者に我流を教えてくれるでしょう。
この我流で、上級者と言えるレベルまで探究できた方はとても少ないと思います。この事は私自身の経験から確信をもって言いきれます。
長い年月で完成されたヨットの技術、知識、理論というものは、我流ではたどり着けない奥深さがあり、経験年数だけで語られると困った事がおきてしまうと思っておきましょう。
反面教師の見分け方
①クルーとして船に同乗させて頂きましょう。 先輩がヨットのオーナーである必要はありません、クルーとしての経験値だけでもあなたより多いことは前提です。
あなたが初心者であることをお伝えした上で、ドンドン質問してみましょう。 初心者の疑問は先輩にも経験のある内容のはず、これを解りやすく解説できない先輩がいるでしょう。
当然ですが感覚的な表現しかできない場面も出てきます。 しかしその際にも先輩の解釈や、分析方法が垣間見えますので 知識と技術の不足はすぐに露呈する。
②あなたの船が有るなら、一緒に乗ってもらえるようにお願いしてみましょう。
そこでは、あなたの船の特性を判断してもらったり、各装備(特にロープ類)の使い方をレクチャーしてもらう事。
これというのは、自分では理解出来ていると思っている事を確認させていただきつつ、その人がセーリングヨットとして使い熟しているのかがわかりやすい部分だからです。
船に付いている装備を説明できないような方であれば、少し用心が必要!
そして、特に注目したいところは離着陸時の動作、手順です。
あなたの船であれば、船長(スキッパー)はあなたで操船する(ヘルムス)のもあなたです。
クルーとして作業をお願いして、正しい手順で舫索(係留ロープ)を扱えているでしょうか?基本のロープワークが正しく出来ているでしょうか?※ここが一番わかりやすいポイント
あなたが免許を取得する際に学んだ、基本の基が出来ない方であったら、残念ですがその人から有益な学びは期待できません。
反面教師から学ぶ意味って?
技術と知識が不足している方から学ぶ事、これは自分の未熟さに気付かないことの怖さであり、プライドが自然に対して無力だという事実を気付かせてくれることが大きいと考えます。
教える事が出来ない先輩は、初心者のあなたに、クルーとして正しく 必要な意見が出来ません。 この場合指示など問題外です。
私が師と仰いだ方は、どんな時でもクルーとして意見をくれました。叱る時には理論的でした。
クルーの責務を果たせない先輩は、船長として未熟でありますし、自然を甘くみていたり、危機を脱した経験を自慢にしていたりします。
大切なのは危機的状況に陥らない事であり、その前に逃げる勇気を持つ事だと思います。
逃げる事は恥じでありません。
人のプライドなど、海は気にしてくれない無慈悲なものであると 学ぶ機会になると思います。
教えを請いたい経験値保持者とは?
ズバリ 反面教師でなかった方に師事しましょう。
出来る人というのは、船上での動作がスムーズで、確実です。これは仮にあなたの操船が未熟だとしても、自分は上手になったと錯覚させてくれます。
離着岸時に舫索(係留ロープ)を持ち、どこに立って居るのかだけでも出来る人は違います。
的を得たサポートがしてもらえるので、船が安全かつスムーズに動くようになってしまうものです。
こんな先輩の真似をすれば、あなたの成長は さらに加速すること間違いありません。
まとめ
クルーとして同乗をお願いする。 あなたの船に同乗してもらいましょう。
- ロープに関する基本が出来ていますか?
- クルーの立場から意見が伝えてもらえますか?
- 動作がスムーズですか?
- 装備についての知識がありますか?
これらを見て、あなたが疑問を持ったのであれば
その方は良い反面教師です。
- ご自身が納得するレベルまで基本を復習しましょう
- 状況を判断できるように観察し、言葉にしてみましょう
- 的確な動作のイメージを持つ事を試みましょう。
クルーとして未熟なうちは、未熟な船長にしかなれない事は誰の目にも明らかです。
良い船長は、良いクルーにもなれる!

