これからヨットを始めたいと考えている あなたには、大きな夢があったりしませんか。
日本国内の孤島 小笠原諸島や
自分のヨットに乗って 太平洋をわたり外国へクルージング旅行に出かけたい
青い海の南国リゾートでノンビリ過ごしてみたいと思うことは、ヨット乗りなら誰もが憧れることだと思います
そんな時に小型船舶検査上で必要になる、外洋クルージングヨットに対するルール規則と、航行区域を解説します
そして、身近に外洋クルージングを楽しむための抜け道もシェアしていきます。
先に、抜け道が知りたい方は 目次から 抜け道近海区域取得方法へ とんでみて下さい。
外洋クルージングの定義と現実
ひとくちに外洋クルージングと言っても、定義の範囲はとても広くなりますので
日本沿岸にある離島を例に、距離的な要素と
範囲に分けて考えてみましょう。
沿海区域とは
大雑把に言えば、岸から20マイル(海里)=37キロの範囲を指して沿海と定義されています。
沿岸区域
原則として北海道、本州、四国、九州の各海岸から20海里以内の水域や特定の島や半島の海岸から20海里以内の水域をいいますが、海岸から20海里を超えた水域で20海里以内の水域と同様の気象・海象条件と認められた水域も含まれています。(船舶安全法施行規則第1条第7項)
出典:JCI
ピンク色の線で囲まれたところが沿海区域
岸から20マイルなので、島からも20マイルで合わせて40マイル程度なら離島にむけて沿海区域で遊びに行けます。
※列島とつながっていない範囲でも沿海区域の設定はありますが、船舶検査上でも孤島あつかいのようですね。船舶検査で沿海区域までしかもたないヨットでは、行く事が禁じられています。
日本海側
日本海側で離島となると、佐渡ヶ島と 隠岐の島、対馬が大きな離島
その他にも島はあり九州五島列島、北海道礼文島など ヨットクルージングで行きたくなるところばかりです。
これらの離島は、海つながりで 沿海区域に含まれます。
外洋クルージングの範疇に入る距離があり、陸地の見えない時間があったりもします。
そして不思議なことに、朝鮮半島までが含まれており、船舶検査で沿海区域を取得したヨットであれば、案外簡単に外国クルージング旅行も可能になっています。(外国の海にまで日本のルールが適用される不思議も同居してるけど・・)
対馬海流が北上していく海でもあり、冬季は北風の嵐が続くエリア
ちなみに、私は初めての外洋クルージングを佐渡ヶ島から新潟柏崎へのレース艇クルーとして体験しています。
日本海の歓迎を受けて、ゲ○ゲ○してた記憶が蘇ったりして・・・・
東シナ海 沖縄 南西諸島
九州から南方の沖縄県本島までは外洋クルージング気分も盛り上がるエリアでしょう。
屋久島、奄美大島、与論島など目立つ島だけでも世界遺産とリゾートにあふれている
そして沿海区域で遊びにいけます。
問題はその先の、八重山先島諸島。宮古島、石垣島、西表島等は、行き来が規制されてしまいます。
黒潮のかねあいで海は荒れることが多いエリアです。
※先の朝鮮半島が沿海区域なら八重山先島諸島から台湾も可能な気がしますが、残念ながら沿海区域では無理。
太平洋側
太平洋側として見渡してみると、港のある離島って少ないです。
伊豆諸島から小笠原諸島になりますが沿海区域のヨットで行けるのは、三宅島まで。
八丈島へは行けません。とうぜん小笠原諸島は孤島あつかいです。
伊豆諸島にも黒潮があたるので、一年を通して荒れやすいエリア
北海道 オホーツク海 太平洋側
北海道の離島と言えば、制度上は根室 北方四島が沿海区域に含まれていますが
まだまだ帰属の問題は解決していませんので、ロシアによる拿捕の可能性は排除できません。
日本を出国して、ロシアに入国となる手続きをふめば可能かもしれませんが、日本人に日本政府が許可しないと思われます。
気候 海況以外についても注意が必要なエリア
根室沿岸を通って北海道を周遊するさいに、海上保安に相談してから航行するヨットも多い状態にあります。
冷たい海と親潮のかねあいで、クルージングシーズンの夏には霧が多く、視界の無いなか怖い体験をする人が多い海
沿海区域での外洋クルージング
制度上では岸から20マイルの制限が付きますが、沿海区域登録のヨットでもかなりの範囲が 外洋クルージングの対象にできる。
制度や規制はあれど、外洋クルージングを身近に楽しむことが可能です。
しかし、沿海区域だけでも きびしい外洋クルージングを体験させられてしまう、日本の海の厳しさを忘れてはならないと思います。
近海区域とは
近海区域
東は東経175度、南は南緯11度、西は東経94度、北は北緯63度の線により囲まれた水域をいいます。(船舶安全法施行規則第1条第8項)
出典:JCI
グレーに染められた範囲が近海区域とされています。
なぜ、こうなるのか疑問もありますが
船舶検査上で 近海区域を取得したヨットなら
- 北方は ロシア ベーリング海まで
- 南方は 東南アジア諸国全体とオーストラリア領海まで
- 東は 北太平洋中ほどまで
- 西は インド洋東方まで
かなり広い範囲で外洋クルージングとアイランドホッピングを楽しめます。
ハワイは行けませんが、グアムからパラオ諸島など 太平洋の孤島へ行けるなんて夢が膨らんでしまいます。
沿海区域の船舶検査ルール
小型船舶検査でヨットが一般的に取得している限定沿海区域から
沿海区域を取得するには、装備品が増える事と、船の作りによっても規制があったりします。
装備品として増えるモノ
- 火薬類に 5万円程
- 救命浮器に 搭載人数1人当たり1万円程
- ストームジブ
- 短波AMラジオ
私のヨットでは、沿海区域の搭乗人数制限を4人登録にして4人用浮器1個を積んでいます。 (限定沿海区域については8人登録 航海区域べつに登録可能)
- 船の作りとしては
- コクピットの広さ 容積に対して排水能力が十分にあるか否か
- 船室入口の位置と広さが、ヨットが横倒しになった場合でも安全であるか否か
- 基本の設計に強度があるか否か
この辺りは日本小型船舶検査協会JCIに問い合わせないと判断出来ない部分 (臨時検査などでJCI職員が計測してくれる)
よほど弱い作りのヨットでなければ、沿海区域までは取得できるはずです。
近海区域のルール
近海区域を取得するにはかなりハードルが高くなっています。
装備品が無駄だと思えるほどに必要になっている
船の建造着手年が、平成6年11月4日以降になるヨットの場合、沿海区域と比べて150万円程の追加費用が必要になるのが現状
古いヨットであれば、多少は少ない費用でも近海区域を正規に取得出来るのですが
長い時間を持って パラオや、東南アジアなどにに行きたい人 以外であれば
近海区域を正規に取得することは、おススメしません。
裏技があるからです⬇︎
抜け道 近海区域取得方法
脱法行為では無いので安心してくださいね
私が小笠原諸島へ遊びに行く際にとった方法を紹介します。
臨時検査を受けて、一時的に航行区域を広げることができるようになっています。(これはルール上 正規の方法で誰でも出来る)
ベースとなる現在の航行区域を 沿海区域で取得してあることが前提ですが
そのヨットに、衛星携帯電話とライフラフトを搭載して
正規の近海区域登録時には必要となる、無線設備の免除申請をすることで
航行ルートに制限がつきますが、近海区域を航行出来るようになる。
私の場合は、愛知県から小笠原諸島の、往復の航行ルート申請し、臨時検査を受けることで、近海区域登録を一時的に取得しました。
- ライフラフトはレンタルや、中古で用意する事で20万円程
- 衛星携帯電話は、2週間以上ではレンタルだと高くつき、新品を買う事も検討しましょう
- 無線設備の免除は紙切れ一枚で完了
まとめ
ここまで紹介してきた、外洋クルージングを楽しむ為の知識は
法的なルールによっても変化していくことが予想されます。
しかし、日本の海で外洋クルージングの旅は十分に可能です
これからヨットを始めるにあたって、夢を持って遊びに取り組むことは、ヨットの上達を早めてくれることと考えます。
こんごも 太平洋を往復する人に向けての外洋クルージングに必要なルール知識と技術経験値の高め方などシェアしていきます。
気長にお付き合いください。