これからセーリングヨットを始めようと思っている方の中には、ヨットに乗って日本各地を旅行する夢を持つ方も多いと思います
そんな時に気になるのが、クルージングヨットでどこまで行って良いのか?
法的に問題は無いのか、規制される事はどんな要素があるのかなど、解らないことが多いと思います
海と陸地の関係性も合わせて、解説していきましょう。
船舶免許の制限と航行区域の関係性
始めに、小型船舶免許制度の制限について考えます。
あなたが持っている、または取る予定の船舶免許が1級か2級かでも許可される航行区域の制限に違いがあります。
1級小型船舶操縦士であれは、世界中をクルージングする資格を持っていますが、2級であれば平水域をふくむ岸から5海里(約9キロ)に制限されています。
免許についての制限はこれだけ!
9キロと、世界一周の違いなので、わたしは1級小型船舶操縦士免許の取得をオススメしています。
ヨットの船舶検査・登録による制限
ヨットの登録と、船舶検査は別けられた証書が発行されています。
登録証書と検査証書の2枚になっている不思議。
これには、許可される航行区域の違いで検査内容が異なり、ヨットに義務付けられる装備品も異なることから
所有権の登録と検査に別けられているようです。
ここで問題になる 許可される航行区域
ヨットの場合、小型船舶の中でもかなり規制緩和されており、自由度は高いですが
細かい区域別けがあります。
平水域・沿岸区域
あなたが乗るヨットの検査証書に記載される航行区域が平水・沿岸区域の場合はこんな感じになります。
関東圏
https://jci.go.jp/areamap/pdf_etc/heisui_07.pdf
東京湾や神奈川県など、本州にヨットを置いた場合、伊豆諸島には遊びに行けません。
ただし、沿岸区域で検査登録してあれば、岸から5海里以内の航行区域内で奄美・沖縄をのぞく日本一周が出来ます。
ずーっと岸から離れずに航海することにはなりますけど・・
奄美地方も、みておきましょう。
九州奄美地方
https://jci.go.jp/areamap/pdf_etc/heisui_13.pdf
島から離れる事は出来ません、九州から南下することも不可能。
エリアによって確認は必要ですが二箇所を抜粋してみました。
平水・沿岸区域だけでは、旅行することは少し難しいですね。
限定沿海区域
多くのクルージングヨットは、この限定沿海区域を取得することが、一般的になっています。
母港とヨットの長さでも、区別されます。
登録上の母港を東京湾と仮定した場合で考えていきます。
●長さ5メートル未満のヨット
ヨットが5メートル未満だと、やっぱり二泊以上の旅行をするのは難しいかな。
十分楽しめますが、 伊豆大島が見えても行けません。
●長さ12メートル未満のヨット
出典:jci
伊豆諸島をふくむ、このくらいのエリアが許可されると数日の旅行をすることが楽しめるでしょう。
ここで合わせ技があり 日本一周も出来る
ここで、航行区域を一気に広げる方法を紹介します。
さきの、沿岸区域と限定沿海区域、 この両方を 検査取得しておけばいい訳です。
ヨットの長さ5メートル以上と、母港を静岡県下田から千葉県南房総 以南のエリアにしておけば伊豆諸島も楽しめる。 八丈島は近海(キンカイ)区域なので行けません。
この沿岸区域とは、別名[全沿岸区域、5海里沿岸]といわれるもので、岸から5海里以内であれば
北海道から九州までを航行区域とすることが出来るうえに
限定沿海区域の検査装備品にプラス2つだけ、小型船舶火せん2個(打ち上げ花火みたいなモノ:携帯電話があれば1個に減じても可)と短波AMラジオを積めば取得できる。
奄美群島・沖縄諸島・小笠原諸島には行けませんが、長期旅行を楽しむ日本一周クルージングが可能になります。
難しいことはJCIに聞けばいい
ここまで紹介してきましたが、あなたはすでにワケワカメになっている事でしょう。
このあたり、覚える必要はありませんよ。
ヨットに義務付けられる規則ではありますが
船舶検査の時に必要になる内容であって、セーリング旅行を楽しむ上では必要ありません。
解らない時は、専門家に聞けばいいのですから
まとめ
ヨットで日本一周する為には
- 1級小型船舶操縦士免許を取る
- 船舶検査を、限定沿海区域と沿岸区域 両方とも取得
- ヨットの長さは5メートル以上
規則・規制はありますが、ヨットでクルージング旅行を始めるにあたり、たいした問題のない事が分かったと思います。
まずは、セーリングが出来るヨット乗りになって下さい、シーマンシップはいずれにせよ必要です。
このページ内で紹介しなかった航行区域については、今後シェアしていく予定です